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ビデオの発売やレンタルリリース開始時に、特別なキャンペーンをすることは今でも珍しくありませんが、
「消されたライセンス」で行なわれたこのキャンペーンはかなりユニークでした。ボンドが怒りのあまり、私怨 のために命をかける映画の内容から発想されたのかと思います。映画本編が終了後、次のようなナレーシ ョンが流れます・・・「ダブル・オー・セブン殺しのライセンス」で、ジェームズ・ボンドが友の死に怒り立ち上 がったように、現代人は怒りを忘れてはなりません・・・」と、応募者の日常の怒り体験を応募用紙(宣伝チラ シの裏に記入し、そのまま切り取ると封筒になる)に100文字以内にまとめて送ると、賞品がもらえるという 趣向でした。
賞品は「怒り100度賞」として当時最初に発売された007シリーズの廉価版(ドクター・ノオ〜リビング・デイ
ライツ)15本セット(定価合計57000円相当)を20名、「怒り50度賞」として007オリジナルテレフォンカ ードが500名とかなりの大盤振舞いでした。しかしながら、ナレーションでビデオのタイトルを原題の直訳の 「殺しのライセンス」と言ったり、「友の死に怒り(死んだのは友の新妻)」と内容の事実誤認をしている点は いかがなものかと思います。 ![]() ![]() ![]()
「消されたライセンス」では、「字幕版」に加え「日本語吹替版」と「S-VHS版」のビデオも初めてリリースされ
ました。「日本語吹替版」は後日発売されたLDにも収録されず、また2006年11月に発売された「アルティメ ットDVD」にも収録されていない貴重なバージョンです。また、2000年8月に発売された「特別編」DVDにも 収録されなかったのですが、ワーナーホームビデオがMGM/UA作品の発売権を持っていた時代に製作され た吹替版には、20世紀フォックスホームエンターティメントに権利が移った際、この「消されたライセンス」以 外にも「チャイルド・プレイ」等いくつかのタイトルが見受けられます。
吹替えを聞いて気になるのは、MもQも「ゼロゼロセブン」と言っていることです。この時期だとTV放送の吹
替えでも「ダブル・オー・セブン」と呼称していたので妙な感じですが、上記の「怒りのビデオキャンペーン」 のナレーションでは「ダブル・オー・セブン」と同じビデオの中で別の呼び方をしているという、まことにちぐは ぐな表現です。「S-VHS版」は対応デッキで再生すれば、LDに迫る高画質映像で見ることが出来るのです が、デッキの普及率があまり伸びなかったので、この時期の製作本数も少ない上に次回作「ゴールデンアイ (1995年)」がリリースされる頃には、レンタルビデオでのリリース自体がほぼ絶滅していました。
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